【短】「好きだよ」~伝えないと決めた想い~Another side



今日は午後から授業のない日。





昼休み、時間をずらして落ち着いたであろう購買に昼ごはんを買いに行こうとしたとき。







職員室を出ようとしたところで、走ってきたあいつとぶつかった。










「うわっ!びっくりした。お前いきなり出てくんなよなー。





…っておい、どうした?

顔、真っ青だぞ?」






あいつの顔を覗き込むと、真っ青な顔に不安そうな目。






何かあったことは間違いない。






何があったんだ?










あいつと目が合う。





するとあいつの目からは涙が溢れてきた。






おいおいおい、マジで何があったんだ。







そっとあいつが口にした言葉。




「先生、どうしよう…。ママが、死んじゃうかもしれない…」







母親?!





何がなんだかわからない。




もしかして、あいつが思いつめてた何かと関係があるのか?




俺はあいつの腕をつかんでいた。










「…行くぞ!」




考えてても仕方がない。




とにかくあいつを母親の元へ連れて行かないと。




< 12 / 30 >

この作品をシェア

pagetop