【短】「好きだよ」~伝えないと決めた想い~Another side


「うわっ、びっくりした。





ちょっと待ってな、この書類片付けてから…」







「うん、時間あるから大丈夫」







そういっていつもと変わらない笑顔をみせてくれた。






彼女の胸ポケットには花かざり。






彼女は、今日この学校を卒業する。









書類を片付けてからなんて言ったけど、正直な話気持ちを落ち着かせるためにそう言っただけで。





まさかこのタイミングでここに来るなんて思ってなかった。





ひとつ深呼吸をして振り返った。







「よし。





改めて、卒業おめでとう」





俺が差し出した手を「ありがとう」と握り返してくれた。





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