【短】「好きだよ」~伝えないと決めた想い~Another side
どこかに呼び出して、気持ちを伝えてしまおうかと思った。
でもここは職員室。
お前のためにも、この気持ちは隠し通すんだ。
やっぱり、お前の新しいスタートを邪魔したくはない。
それにもう俺のことなんて好きじゃないかもしれない。
だったらなおさらだ。
「…あー。
ごめん、なんでもない」
情けないよなぁ、俺。
「そっか…。
じゃあ、あたし帰るね。
先生、今までほんとにほんとにお世話になりました!」
そう言ってあいつは職員室を出て行った。
あいつの顔が曇ったことなんてすぐわかった。
あいつの泣き顔は何度も見てきた。
でも今は俺が泣かせたんだよな、きっと。
マジで俺、情けねぇ。