【短】「好きだよ」~伝えないと決めた想い~Another side
辿り着いたのは音楽室。
俺があいつに気持ちを伝えないと決めた場所。
中に入ろうとしたときに、聞こえた声。
「先生、大好きだよ」
…あいつの声だ。
やばいな、あいつはやっぱり俺の事を想ってくれていたんだ。
俺、自分が思った以上に嬉しいかもしれない。
今度は俺があいつに伝える番だ。
「知ってたよ」
慌ててあいつが振り返る。
「…っ!先生?!」
「お前の気持ちくらい知ってるっつーの」
なんて強がってみる。
ほんとはついさっきまで自信がなかったくせに。
最後くらいかっこつけたっていいだろ?