戦場のガールズライフ~派遣社員奮闘編~
「あ、起きた?」


名前を呼ばれた気がした。仰向けに寝転がっている私を覗き込んでいる黒い影に。


「寝てた?」


よっこらせ、と起き上がるのに合わせて、中腰になっていたその黒い影が背筋を正す。子犬のような黒い目が私を見下ろしていた。


「うん、ドラマ終わっちゃったよ」


「うあ~、またか。途中までは起きてたのに。なんで起こしてくれないかな?」


「気が付いたら寝てたから」


私はベッドの上に座ってこめかみをグリグリする。どうやら本気で寝てたらしい。コンタクトがちょっと渇いてるっぽい。あくびでもして目を潤そう。


「平気?」


そう言って大口開けてる私の隣りに腰を下ろしたのは、この部屋の住人、ニンジャ、ハットリ君だった。


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