翼をください。
「こんにちわ、土屋さん。」

 私と景は
土屋さんのジョークをスルーして、
揃って挨拶する。

 土屋 司(ツカサ)さん。
私が夕陽家に引き取られてから、
主のいなくなったこの稲田邸の管理をしている、
私の唯一のとぉーーい親戚。 

そして、元我が家は、
隠された地下室があり、
そこから次々と高価なアンティークから靴下まで、
兎に角色々出てくるのだ。

 その中で、アルバムなど、
私が貰うべきと土屋さんが判断したものを、
こういう風に取りにくるのだ。 
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