ひとつの恋に出逢った。


「ふ…ぇ?え?」

「信じてくんねーよなー…」

「…うん…それ本気で言ってんの…?」

「マジマジっ!本気だから!」


「嘘でしょっ!?志緒くんはほんっとチャラい!チャラい!そんなことばっかり言ったら世界中の女の子おとせると思ってるんでしょ!」


志緒くんの顔が固まって、鋭い視線が私を差した。
言いすぎた。

「一体…お前って俺のことなんだと思ってんだよ?」

少し長めの髪をかきあげて、上目づかいで私をにらんだ。

「…昔から危ないなと思ってた。でも」

体が揺れた。
視界が真っ暗になった。

苦しい。

「〜ッ、ちょっと、離してっ、逸樹に見られるっ!」

「嫌だ」

背中に回された腕はきつくなる。顔には志緒くんのシャツと体温を感じる。


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