政府より魔女へ
その直後、俺たちは森の外に立っていた。

「リラ....? ――――リラ! リラ!!」

森の入り口は何かで覆われていた。何度も叩き、何度も名を紡ぐ。

「局長! 見てください!」

七丘が言うと同時に、俺は一枚の枯葉が落ちてきたのを見ていた。

その元を目でたどっていくと、大量の葉っぱが後を為し、木は、水分を失っていく。

メルンはつぶやいた。

「森が.....死んでいく.....」

「うそだ........リラ、うそだ!」

森の命は、彼女の命。

彼女の命が、森を支えていた。

彼女包む木々、彼女を敬愛する動物たち、彼女を飾る花々。

お互いが寄り添い、ともに生きてきた彼女たちの、成れの果て―――


「局長、早くコロニーに戻りましょう! じゃないと.....彼女のいない外は危険です!」

対紫外線車の中で、七丘が叫んでいた。



リラ‥――――




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