政府より魔女へ

後ろ姿

「.....と、いうわけで、前回のお手柄が世界中に知れ渡ったというわけ。それでみんな、魔女である君にいろいろと手を貸してほしいって政府にくるんだ。だから―――」

「いや」

きっぱりと魔女は応える。

「協力はこの前だけだと言ったわ。その上、解決したときに言ったはずよ。私のことを伏せておくように、と。
わかったといったのはあなたではなかった?」

七丘はことばを失う。


「あなたは平気で約束を破るの?」

彼女は局長と呼ばれる男を見る。

彼女の紅茶を味わっていた局長、ジス・バリコットはにっこりほほ笑み返してカップを置いた。


部下、七丘・リゼスタ・ユウキは呆れて物も言えなかった。

(こういう展開になるとはなぁ)

まさか局長が本気になるとも思えない。

ファンクラブが作られるほど人気のある局長は、例え美女が寄ってきても本気になることはなく、今まで女に大して興味を示さずにいたのだ。

だからこんなに相手に心からの笑顔を向けたことは七丘が知るかぎり全くと言っていいくらいなかった。

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