水世界

青に溺れる


目の前の世界から
青以外の色が亡くなった

もう
林檎の色も
向日葵の色も
隣町の原っぱの色も
一つずつ 一つずつ
忘れてゆく


あの人の笑顔も
あの人の声も
あの人自身も
忘れてゆく


私は哀しい人魚姫
何もかも忘れて
泡となって消えてゆく

青の一部となって
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