水世界

すくわれて


ビニール袋の中の
小さな金魚

お前たちは良いね
悩みもないだろう

答えるように少し跳ねる
朱鷺色の空には
一番星
微かに聴こえる祭囃子
箪笥の匂いが染み付いた浴衣
少し小さくなった下駄
君が買ってくれた巾着袋

でも君は居ない

今度は慰めるように
跳ねる金魚

このちっぽけな命が
君の居ない寂しさを
埋めてくれるだろうか…
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