願いの館

友達

--コンコン



あたしは今、あの日、藁にも縋る思いで来た、あの場所にいる。



--ギィィ



「いらっしゃい。待っていたわ」


待っていた?


リーアさんの言葉にあたしは困惑する。


「えーと、どういう意味ですか?」


あたしが、困っているのを見た、リーアさんはフッと笑った。


「気にしないで。貴女に走る必要が無い事だから」


どういう意味だろう?

不思議に思いながらも館の中に入った。


此間、紅茶とクッキーが置かれていた黒のテーブルの上には、今日も湯気が出ている紅茶とクッキーがある。


まるで、あたしが来る事を知っていたみたいに。


「紅茶とクッキーがあるわ。ゆっくり話しましょう?」


リーアさんは笑顔で言うけど、笑顔に見えない。


いつも、何処か不思議な雰囲気を纏っている。


「はい」


あたしは返事をして、案内された黒のイスに座った。



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