Escape from the DEAD second night
「何してるんだよ芹」

要と紅が振り向く。

「中に入ってみよう。きっとパンくらいならまだ傷んでないまま残っている筈だ」

「……」

そんな風に声をかける要にも、芹はどこか後ろめたささえ覚える。

確認する事が怖い。

しかし、確認せずにはいられず。

「何で…何も言わないの…?」

芹は要に問いかける。

無論、単独行動をとった事についてだ。

彼女が勝手な真似をしたせいで、要と紅はどれだけ心を痛めたか。

何度命を落としかけたか。

芹にだって訊かなくとも理解できている。

< 104 / 132 >

この作品をシェア

pagetop