おじいさんの懐中時計
「今日は無理にあそこへ連れて行って、悪かったな。これはお詫びの印だよ。」


そう言って、古い懐中時計を僕の手の中に入れた。


「これを見たら、わしの今の話と、今日のことを思い出してほしい。」


僕は、その時計をポケットにしまった。
もうすっかり、夜になっていた。

家の前に降ろされた僕は、ふと気がついた。

僕の家は引っ越しをしてきたばかりだし、おじいさんには、住所も言わなかったのに、どうして知っていたのだろう。



「おじいさん!!。」


振り向くと、車もおじいさんも見えなかった。本当に不思議な人だ――。







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