†導かれる聖女†
「…………………」
ルークは息を切らせる事なく屋根と屋根の間を飛び越える。
月だけが二人を照らしていた。
「…ルーク…」
「…大丈夫だ」
心配して名を呼べば、ルークは安心させるようにそう応える。
「降りるぞ」
―シュッ
下へと降り、また町中を走る。どこまで逃げればいいの…!?
「何やってるんだい!?」
走り続ける私達の頭上から声が聞こえた。
「こんな時間に外へ出るなんて…
とりあえずお入り!!」
老婆が窓から私にそう叫ぶ。私達はそれに甘える事にした。