BOND
「俺言わなかったっけ?」



私たちは一斉に扉の方を見た。




「武藤くんっ!」




武藤くんはポッケに両手を入れてこっちに歩いてくる。





「快っ‥何でここにいるの?」


「ゆかり、越智に手出すなって言ったよな?」


「っ…手出してないわよっ‥。」


「喋りかけんな。」



武藤くんはいつになく怖い表情で先輩を見た。





武藤くんと先輩ってどういう関係‥?





「快!どうして!?こんな女のどこがいいわけ!?」



「ゆかり、いい加減にしろ。」



「っ…。」




友達?




恋人?




「越智、行こ。」



私の手を引いて歩き出す武藤くん。



「あっ‥。」
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