BOND
「はいはい。」



私たちは教室に入った。




「越智さん、ちょっといい?」



見下した言い方で私を見る、クラスで一番目立つ田村さんに言われた。





「うん。」




私は明を一度見てすぐに田村さんを追った。





田村さんは無言のまま階段を上る。





そして屋上に出る扉を開けた。





屋上に出ると、明るい髪をグルグルに巻いたギャルが一人。





「ゆかり先輩!」



田村さんは先輩のもとに駆け寄る。





そして二人は私を見た。



「フッ。ださい女。」



私を見て鼻で笑う先輩。




私はじっと先輩を見た。




この人に呼ばれるわけって?




「快と付き合ってんの?」


「っ‥付き合ってません。」


「あんた邪魔なんだよね。」


「…。」


「消えてくれる?」




この人は武藤くんの何?




「ここから飛び降りてよ。」




ニヤッと笑う先輩。




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