恋する事件簿【完】
けど、いつもそれは言ってくれるか。



「ごめん。こっちに連れて来て」



『わかりました』



「お願いします」



私は電話を切り、煙草を消した。

仕事を始めるみんなを見渡してから、通路の先にあるエレベーターを見る。

案内課の人間と降りて来た、サングラスにパンツ姿の女。

私には見覚えがない。



「お連れしました」



案内課の人間が、私に頭を下げて去って行く。



「どちら様ですか?」



同じ目線。

サングラス越しの目は鋭く私を睨んでる。



「貴方が山下芽依実さんなの。
随分と綺麗な方だ事」



…何、この人。

意味わかんないんだけど。
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