恋する事件簿【完】
「私、奥村里緒菜ーオクムラリオナーと言います」



「“奥村”…」



聞き覚えがある。

1週間前、私が休日にたまたま捕まえた、人様ん家の壁に落書きしてた、高校生の苗字。



「貴方のせいで、外に出歩くにも周りの目を気にして、旦那はリストラ。一体、私たちの生活をどうしてくれるのよッ!!」



…はい?

いけない事をしたのは、あんたの息子でしょ?



「あの…」



「芽依実」



私が言い返そうとすると、父親が私の腕を引いた。

叔父さんが隣で頭を下げてる。



「頭を下げる必要なくない!?」



だから、私は叔父さんにキレた。

間違ってるのは、この人だ。
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