何度も…何度でも君に恋をする

甘い彼、切ない時間





焼きそば……、タコ焼き……、クレープ屋さん。

チョコバナナ……、かき氷……、焼きもろこし。




「はぁーー……、めっちゃお腹すくー」

「ちょっと華凛、鼻動かしすぎ!…動物みたいに動いてるやん」


美桜と屋台の間を歩いてたら腕を引っ張られた。

私の嗅覚に呆れて強引にでも教室に連れて帰ろうとしてる。







今日は文化祭。

2週間前に体育祭が終わったと思ったのに…、休む間もなく文化祭当日がきてた。


「うーん…、やっぱタコ焼きにしよ」


ぼそっと呟いたのに美桜には聞こえてたみたい。

首を振りながら「マイペースちゃんや…」って言われてしまった。



「だってー…、屋台って何かワクワクするやん?あれを外で食べるのが通やねんって」

「華凛はその前にやる事あるんやなかったっけ…?あたしはそれを呼びに来たって忘れてないよね?」



しっかり者の美桜とおっちょこちょいの私。

先生が美桜に頼んだのは正解だったかもしれない。









「はい、華凛連れ戻しましたー!」


美桜に背中を押されながら教室に入ると、甘いお菓子みたいな匂いが充満していた。

私達のクラスはクレープ屋さん。


かなり人気の屋台で色んなクラスとの争奪戦だったけど、くじに強い委員長の山岸くんが見事に勝ち取ってきてくれた。

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