喫茶冬景色

恋の裏役者

次の日、学校に行くと朝から
 
「ねぇ、森は鈴木と付き合ってるんでしょ?」
 
「どこが良かったの?」
 
どこで聞いたのか知らないが野次馬根性丸出しの女、山根と栗木が声をかけてきた。
 
誰に聞言ったのか尋ねれば、斉藤と安達と同じく新垣。
 
野郎。
 
アイツ来たら一発、殴ってやんねぇと。
 
なんて、心の誓いはずいぶん堅かったように思う。
 
「森君。モテモテだね。」
 
俺が女子2人からの回答に悩んでいると、カバンを置きながら鈴木が言ってきた。
 
こいつ、自分は渦潮の中にいることを知らないんじゃないかってくらいのんきな様子で。
 
絶対に人事だぜ?ありゃ。
 
「お前、平気なの?」
 
と、尋ねると
 
「何が?」
 
だと。
 
なんだか、考えるのがバカらしくなってきた。
 
「ねぇ、鈴木さんはどこが良かったのさ?」
 
と、栗木。
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