うしろ姿
「………航は?」
「え…?」
私の寝ていたベッドの枕の横に、スポーツブランドも航のジャージ。
石鹸の香り。
「……こ、う…」
私はジャージを撫でた。
貴方のジャージが愛しくて。
貴方のジャージさえも愛しくて。
「水里さん?早くしないと部活始まるわよー。」
「あ、有り難うございました!」
放課後まで寝てたんだ、私。
全速力で稽古の場所まで急いだ。
そうそう、保健室の先生、福原先生は綺麗。
「さて、悩みですか?伶、くん。」
「……先生は好きな子にあんな顔されたらどうしますか?」
「難しいわね。」
「あんな…切ない、顔……。」