うしろ姿
伶に腕を掴まれた。
「病院、行くよ。」
「嫌!絶対、嫌…!』
「…華、耶?」
「行くくらいなら、」
「華耶はうちに連れてくんで。」
“行くくらいなら、死ぬ。”
その言葉を遮ったのは、他の誰でもない、私の好きな貴方。
「腕、離せ。」
「え、こ、航…?」
「乗って、車。」
航に腕を引かれ、おとなしく車に乗った。
のはいいんですが。
何でこんなに普通なの?
どこに向かってるの?
掴まれた腕が、熱い。