うしろ姿
一瞬真剣な表情をした美奈さんは、航をリビングから追い出した。
広いリビングに、二人きり。
「…航の彼女?」
「だったらいいんですけど、ね。」
「そう…。ストレスが原因よね。この痩せ方とかも。」
「知ってます。」
「ストレスの内容は?」
言えない。
航が、原因だなんて。
「航。」
ピク、と嫌でも反応してしまう。
何でこんな時に正直なんだ、と、自分のことながらも呆(アキ)れてしまう。
「体重何キロ?」
美奈さんは、いきなり真剣な目をした。
これはちゃんと言った方が良さそうだな…。
「37、です…」
「入院しなさい。」
「嫌です。」
「じゃぁ学校行くのやめなさい。」
「嫌です。」
「華耶ちゃん。
貴女は、何に怖がってるの?」