いつか君を忘れるまで
外に出て、封を開けた箱からタバコを取り出し火をつける。
至福の時・・・と言うと大袈裟だが、俺にとって必要な時間だ。

そんな事を思いながらタバコの煙を燻らせていると、後方から穏やかではない声が聞こえてきた。

「結構です!」

その声のする方に振り向くと、昨日の女子高生が、数人の男に囲まれていた。

「イイじゃん、カラオケぐらい。」

女の子の、明らかに迷惑そうな表情から、嫌がっているのが見て取れる。

その集団は、こちらへ向かって歩いて来た。
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