赤い狼 参





「だから、稚春に触るなって!」



「おや。ヤキモチかい?」



「…っ、」



「図星だったのか?」



「うっ、うるせーー!」



「大丈夫。俺と稚春ちゃんには何もないよ。まだ、ね…。」



「なんだ、今の!まだって!」


「え?だって分からないじゃないか。ねぇ?稚春ちゃん。」



「へっ?あ、はい。そうですね。あ。和宏さん、ご飯粒付いてますよ。」



「ん?何処だ?」



「此所ですよ、此所。」



「お、本当だ。すまないね、稚春ちゃん。」



「ぃぃえ。和宏さんって意外と可愛ぃ処があるんですね。」



「…なんだ、この敗北感…。って、何でオメー等は下の名前で呼び合ってんだ!」




叫んでいる連を見てニコニコと嬉しそうに笑う和宏さんを見て頬が緩む。




「さて、食べようか。」



「親父はもう食ってんじゃねぇか!」




こんな賑やかな食卓は初めてで。


でも、なんだが嫌じゃなかった。

むしろ、凄く幸せで。



初めて一人ではなく、人と一緒に食べる楽しさを味わった。



楽しくて、少しだけ連に近付けた気がして。


それが、嬉しかった。






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