赤い狼 参





すると、




「ねぇ。」




誰に呼び掛けているのか分からないけど声が聞こえた。




「ねぇって、聞いてんの?」




その人はまだ返事をしてくれない人に呼び掛けている。




…返事してあげればぃぃのに。



お弁当を食べながら呼び掛けている人を憐れんでいると




「ねぇってば!!」



「うわっ!?」




耳元でめちゃくちゃデカイ声が聞こえた。




ビックリしながら声が聞こえた方を向くと…――




「…え、私ですか?」




さっきから呼び掛けていたと思われる女の人が立っていた。




「さっきから呼んでたじゃない。」




女の人は呼び掛けても返事をしなかった私に怒っているのかキッと睨んでくる。



はい…ごめんなさい。




女の人の迫力に圧されて固まっている私に女の人はフンッと偉そうに、私の目の前に仁王立ちする。




な、なんて性格が悪そうなんだ。



逆の意味で尊敬だ。




「あんた、白兎稚春よね?」



「そうだけど…。」




相変わらず偉そうに仁王立ちしている女の人を見上げる。




仁王立ちって疲れないのだろうか。





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