赤い狼 参





部屋を出ていく棗の背中を見ながら申し訳ない気持ちになる。



「よし、着替えよっと。」




気を取り直して、棗から受け取ったスウェットに着替える。



…着替えたのはぃぃんだけど…





「でかくね?」





棗がスウェットを着た私の姿を見て眉間に皺を寄せる。



…うん。私もそう思ったよ。



なんか、大きいな。って思ったよ。思ったけど…





「これはでかすぎだと思う…。」





私がポツリ、そう言うと、


俺と同じ事言ってんじゃん。


と目を細めて笑った。





「つぅーか…服がでけぇのは今に始まった事じゃねぇだろ。」



「…うっ。まぁ、そうだけど…いつも急だから用意出来ないんだもん。


事前に言ってくれてたら泊まる用意するのにさぁ…。」




棗が図星を突いてきたから取り敢えず、棗達のせいにする。



だって、本当の事だしね!



棗達のせいにしてもぃぃじゃんね?




自分に問い掛けて棗の方を見ると…



これは、ビックリ。




布団に入ってモゾモゾと寝る準備をしていたのだ。




< 97 / 410 >

この作品をシェア

pagetop