赤い狼 参
部屋を出ていく棗の背中を見ながら申し訳ない気持ちになる。
「よし、着替えよっと。」
気を取り直して、棗から受け取ったスウェットに着替える。
…着替えたのはぃぃんだけど…
「でかくね?」
棗がスウェットを着た私の姿を見て眉間に皺を寄せる。
…うん。私もそう思ったよ。
なんか、大きいな。って思ったよ。思ったけど…
「これはでかすぎだと思う…。」
私がポツリ、そう言うと、
俺と同じ事言ってんじゃん。
と目を細めて笑った。
「つぅーか…服がでけぇのは今に始まった事じゃねぇだろ。」
「…うっ。まぁ、そうだけど…いつも急だから用意出来ないんだもん。
事前に言ってくれてたら泊まる用意するのにさぁ…。」
棗が図星を突いてきたから取り敢えず、棗達のせいにする。
だって、本当の事だしね!
棗達のせいにしてもぃぃじゃんね?
自分に問い掛けて棗の方を見ると…
これは、ビックリ。
布団に入ってモゾモゾと寝る準備をしていたのだ。