天使のキス。
「愛里と“結婚”ってのがいいな?」


悠はテーブルをまわってあたしの横にきて、椅子の背もたれに手をつくと同時に、あたしの肩も押さえつけて――…


唐突に、あたしにキスをした。


…な…な…な…
なんでキス?


このタイミングで、なんでキス!?


呆気にとられ、悠をぼんやり見上げるあたしの瞳を、のぞきこむように至近距離から見下ろし、


「愛里、避けないんだ?」
避けようと思えば、いくらでも避けれたのに」


悠は何かを考えるように、何かを迷うように、目を所在なく動かし、


「じぁあ、カレーよりも先に愛里を喰っちゃうよ?」


あたしの首筋に、チクンと痛いキスをした。


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