天使のキス。
だって、どこからどう見ても“おじいちゃん”だよ?


もちろん、空手の師範をやってるから、よぼよぼとは言わないけど…


どこからどう見てもおじいちゃんだよ?


こんな人に、あたしの“恋の悩み”なんか、わかるのかなぁ?


そんなことを思って、相談したくても押し黙るあたしに、


「ん―?
愛里ちゃん。
そこまでもじもじするってことは…。
ずばり!
“恋の悩み”じゃな?」


じいじは、白くて長いあごひげを触りながら、ニヤリと笑った。


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