天使のキス。
「え―っ!?じいじ?」


まさかじいじの口から“恋の悩み”なんて言葉が飛び出すとは思ってなかったから、びっくりするやら、慌てるやら。


挙動不審のあたしを手招きしながら、じいじは言った。


「お茶でも入れるから、こちらへおいで。
昔はモテモテだったわしが愛里ちゃんの悩みを聞くとしよう」


「…モテモテ…?」


「はっはっはっ…。
その目は疑っておるようじゃな?
見くびってもらっては困るぞ?
まだまだ若いもんには負けん!
というか、わしの方が圧倒的に人生経験が豊富じゃからな?」

< 148 / 921 >

この作品をシェア

pagetop