天使のキス。
その綺麗な笑顔で覆われて。
その天使の笑顔で隠されて。


あたしはその笑顔を見ると何も言えなくなって、結局いつも唇を噛むばかり。


今日も…また一緒なのかなぁ。
嫌だなぁ…


そんなことを考えながら、悠の通り過ぎるのをやり過ごそうとしたら――…


「何、みとれてんの?」


珍しく、悠が、あたしの横をスルーしてから振り返った。


< 163 / 921 >

この作品をシェア

pagetop