天使のキス。
その言葉の微妙なニュアンス、微妙に意地の悪さを含んだ声のトーンに、


「…え?」


あたしはパジャマの胸元をぎゅーっと掴みながら、言葉をしぼりだした。


「せ…制服…
初めて見た。
悠、カッコいいね…」


当たり障りのないセリフじゃなくて。
あえて、ツッコミを入れてもらえるようなセリフを探した。


もちろん、紺色のブレザーに、グレンチェックのズボンをはいた悠はカッコよかった。


シャツのボタンも上までしっかりとめて、ネクタイも緩めずきちんと結んで。

< 164 / 921 >

この作品をシェア

pagetop