天使のキス。
オレはいったいどうなってしまったんだ?


自分の感情を持て余し、当惑するオレに


「今日は、ちょっと君にお願いがあってさ♪」


佐久間健は、気取って、手のひらを顔の前で重ね合わせた。


「聞けるかどうかはわかりませんが、伺います」


そう答えはしたものの、正直なところ、聞きたくはない。


どうせ…愛里がらみの話なんだろ?


それなら――…

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