天使のキス。
オレは、隼人と昴の方を向いて言った。


「隼人と昴は、今日は帰れよ」


仮面を自らはがしたとはいうものの、さすがに醜態なんか晒せない。


だから2人の肩に手を置いて、コートの外に追いやろうと、その手に力をこめると――…


「えー?」


不服そうな声を出した2人の声にかぶせるように、佐久間健は言った。


「君たちにもお願いしたいことがあるんだ。
一緒にいてもらえないかな?」

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