天使のキス。
でも――…


ここで泣いていても、仕方がない!!!


あたしは、自分の頬をバシっと叩いて気合をいれ、かばんをごそごそ探って、そこから懐中電灯を取り出した。


どうだ!
あたしの秘密兵器!


…なんて威張ってみても、手がふさがらないように、自分で改良した代物で、頭につけられる…お粗末なもの。


ははは…。


それをバンドで額にとめ、気分は探検隊だよと笑ってみた。


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