天使のキス。
「痛い。
痛いっ。
パパギブ!
ちゃんと話を聞くから―っ!!」


すぐに泣きを入れて、パパの腕をパシパシ叩くと、


「よろしい」


精一杯威厳を保とうとするような、偉そうな声が降ってきた。


もう、パパ。
今日はなに?


えらく張り切ってますなぁ。
いつもと全然違うじゃん。


いつもは、もっとふにゃふにゃしてんじゃん。


そんなことを思いながら、パパの口元を凝視する。

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