天使のキス。
そんな、自分に都合のいい、どぴんくの妄想を頭の外に追い払うよう、


「シッシッ…」


野良犬でも追い払うかのように、あたしは両手を頭の上で振り回した。


とたん――…


ぴゅ―っ♪


頭の上から降ってきた口笛の音と掴まれた手首の感覚で現実に引き戻される。


「おまえさ。
何妄想してんの?」


すぐ目の前にある、細められた意地の悪そうな目。


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