天使のキス。
だって、あたし。


あんな両親が大好きだから。


好きな悠の口から、大好きな両親の悪口は聞きたくない――っ!!


床にはいつくばった格好で、両耳を押さえたあたしの腕をとり、


「なーに、してんだよ」


優しい声であたしの顔をのぞきこむ悠。


でも、さっきの豹変ぶりを目撃しているから――…


「な…な…何よ!」


“また悪魔になるんでしょ―!?”


素直になんかなれなくて、むすぅっと口を尖らせたあたしに、


「おまえの両親って…いいよな」


悠は、パパとママが出て行ったリビングのドアに目を向けた。

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