天使のキス。
悠はクスっと笑い、目じりを下げた。


「当たり前だろ?
つーか、さ。
こんな女、どこ探したっていねぇよ。
無茶苦茶なヤツ」


悠とあたしが監禁されていた部屋の中と、事態が飲み込めずざわついていた会場にも、ようやく笑みが戻り、


あたし達はみんなの拍手で包まれた。


それを見ていた悠のパパの顔に、わずかだけど、嬉しそうな微笑みが浮かんだのを見て、あたしはものすごく嬉しくなった。


悠の件が解決した後は――…


「悠っ!
訳は、後で話す。
だから、あたしと一緒に病院に来て!
健ちゃんが、危ないの」
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