天使のキス。
健ちゃんとじいじの考えてくれた計画のおかげで、悠をこうして取り戻すことができたよ!


そのことを早く報告したくて、あたしの胸はジリジリ焦げた。



やっと着いた病院で、あたしはさっきの手術室に向かって走った。


慣れないドレスの裾が絡まって。


気持ちが焦って。


何度も何度も、転んだけど。


それでも、あたしは、また立ち上がって走った。



さっきの手術室にたどり着いた時――…


「…え!?
健ちゃんっ!?」


健ちゃんがこっちを見て笑っていた。
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