モデル同士の恋
あれから少しだけ探したけど
颯太が見つかることはなく、
半ば諦め状態で家に帰る。


「ただいまー。」


美味しそうな、香りがした。

甘い香り。


リビングにつくと
お母さんが出迎える。


あれ、お父さんがいない。

今日休みじゃなかった?


まだ寝てるのかな…


「あら早かったわね。」


「ん、ちょっと。」

そう言いながら、
ダイニングのテーブルに
座っているお母さんの
向かい側に座る。


テーブルの上には美味しそうな出来立てのクッキー。

「どうしたのこれ。」


お母さんがお菓子を作るのはそんなにあることじゃない。


ましてやこんな普通の日に作るなんて珍しすぎる。


「まだ駄目よ、食べちゃ。」

手を伸ばそうとするあたしを止めるお母さん。


「なんで?」


「それは颯太のために作ったんだから。」


は?


今颯太のためって?
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