モデル同士の恋
「んー、どっちでもいいや。」

あまり悩む様子もなくそう答える颯太。


「何それ。」


「どっちでも結衣は結衣。」


その颯太の何気ない一言に自然と顔が綻ぶ。


背中ごしに伝わる颯太の温かさが気持ちよかった。





――――

気付いたときにはもう駅までついていて、「切符買ってくるからまってて。」颯太がそう言って柱のところにあたしを降ろした。


携帯を開くと受信メール一通の文字。


誰からだろ。


そう思って見てみると『頑張って告白してみ!いけるかもよ!』なんて軽い言葉。


差出人は夏希。



「世の中そんな簡単じゃないよ…。」

「え?」

声がした方へ目線を上げれば不思議そうにしている颯太がいた。


「なんでもなーい。」


「なんだそれ。まあいーや。
はい、切符。
こっからホームまでは歩ける?」


「ん。ありがとー。」


切符を受け取り立ち上がる。


やっぱり足はズキズキして痛かったけど、颯太に迷惑ばかりかけてさすがに悪いと思ったため、無理をして歩く。


多分、颯太にはすぐ気付かれる。



「やっぱ無理?」


ほらね、やっぱり。

あたしが思った通りだ。


「だいじょーぶ。」


「そ?ならいいんだけど。」


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