Drei Drachen
「よし。ならそろそろ体育館に……って、入学式始まるまであと五分しかないじゃないか!!」
來礼は腕時計を見、慌てた様子で言う。
「美龍、走るぞ!!」
そして、私にそう言い放ち、校門に向かい走り出した。
「ちょっ、待ってよー!!」
一人先に行く彼を追いかけ、私も走り出す。
別に待ってくれなくてもいいけれどね。
だってすぐ追いつくから。
「相変わらず足速いなー」
あっという間に追いついた私に向かい來礼が言う。
「運動は出来るからね」
昔から運動神経は良かった。
運動会の短距離走やリレーでは大活躍だったし。
「"運動だけは"じゃねぇの?」
「失礼な!! 国語も一応出来るし!!」
「はいはい」
……しかし、冷静に考えてみると奇妙な光景だよな、今の状況。
スーツ姿の男と制服の女が走りながら言い合いしてるなんて。
そんなことを思っていると、いつの間にか入学式が行われる体育館に着いていた。