嘘婚―ウソコン―
陽平と彼女をテーブル席に案内すると、おしぼりとメニューを取りに行くために裏へ行った。

「お客さん?」

厨房にいた大前が顔を出した。

「あ、はい」

ちゃんと、答えられているだろうか。

陽平と彼女の来店に、動揺していないだろうか?

千広はおしぼりとメニューを持つと、表に行った。

「おしぼりです」

陽平と彼女におしぼりを渡した。

千広はドリンクのページを広げると、
「こちら、ドリンクのメニューとなっております。

お決まりでしたらお呼びください」

2人に渡すと、逃げるように裏へ戻った。
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