嘘婚―ウソコン―
「何買ってきたー?」

陽平がガサガサと袋の中を探った。

チューハイ2本とお惣菜がテーブルのうえに並んだ。

千広が選んだお惣菜は、軟骨のからあげときゅうりのピリ辛づけだ。

「おー、軟骨好きなんだ」

お惣菜を見た陽平が嬉しそうに言った。

千広はテーブルのうえに、友美から渡されたアクセサリーを置いた。

「…んっ?」

陽平がそれに気づいた。

「ヒロ…何でお前が持ってるんだ…?」

ガラスの靴をモチーフにしたそのアクセサリーは、蛍光灯に反射されて輝いていた。

千広は話を切り出した。

「今日、森川さんに会ったんです」

そう言ったとたん、陽平は驚いた顔をした。
< 272 / 333 >

この作品をシェア

pagetop