嘘婚―ウソコン―
コップにアイスティーが注がれる。

「…ないです」

千広は首を横に振った。

「そう?」

小田切はコクリと、アイスティーを1口飲んだ。

「はい…」

千広はうなずくと、冷めたほうじ茶を1口飲んだ。

小田切の視線が痛い。

自分たちの間を流れる沈黙が痛い。

その沈黙を破ったのは、
「小堺さん」

小田切の方だった。

「あ、はい…」

声をかけられた千広は返事をする。

「周くんの右腕になるんだったら、この先いろいろあるわ」

「はい…」

続けて言った小田切に千広はうなずいた。

「だけど…何があっても周くんのことを支えてあげてね。

周くんが選んだ右腕なんだから」

「はい!」

そう言った小田切に、今度ははっきりとうなずいた。
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