想うだけならいいですか?
「何でお前が泣くんだ」


これを言ってしまったら

ダメなのはわかってる

でも

もう

抑えれないよ・・・


「先生が好きだからです・・・」


私は先生を見れなくて

うつむき

涙を隠す為に

顔を手で覆う

2人を静寂が包む


「―――――――悪いが

 生徒をそういう対象として

 見ることはない

 ・・・今までも

 これからも。」


わかってる

こうなる事なんて

先生はいい先生だから・・・


「―――――出よう

 少し遅くなりすぎた・・・」


―――――――カツカツカツ


「! 見回りか―――――・・・」


外はもう真っ黒に染まっている

学校の隅の旧校舎

そんなところに

先生と生徒

私たちは

どんな風に見えてしまうのだろう


―――――グイッ!


―――――ガラガラッ


「・・・あれ?

 今人の気配がした気がしたんだが

 ・・・・気のせいか」


私は先生をひっぱり

隠れた

そのおかげで見つからなかった


「―――――別に隠れる必要なんて

 ないんだよ

 伊波・・・」


こんな状況でも

自分の心臓がうるさくて

そんな自分が嫌になった


「―――――はい。」


「――――――ごめん

 ・・・ごめんな

 伊波――――」


*

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