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「ハル…くん?」

「…わすれんなよ、ヒメ…。」

「え?」

「きょう、おれといっしょにこれをみたこと…。」

「わすれないよっ!!ぜったいぜったいわすれないっ!!」

「おれも…ぜったいわすれない。」



それ以降、しばらくハルくんが言葉を紡ぐことはなかった。
私が口を開くまでは。

…天の川を見た帰り道。
幼すぎた私は、彼の変化に気付くことなんてなかった。



「ねーハルくん?」

「ん?」

「またらいねんもいっしょにみようよ、あまのがわ。」

「え…?」

「だってすき、でしょ?ハルくんも。おほしさま。」

「…すき、だよ…。」

「ねっ?だから…。」

「やくそくしよう、ヒメ。」

「え?」

「またぜったいいっしょにあまのがわをみるって。」

「うんっ!!」


…私は気付いてなかった。
その約束に具体的な『時』が刻まれていないことを。

ハルくんがいなくなったのは、本当にすぐのことだった。





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