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7月1日。
もうすぐ『約束の時』がやってくる。



「ねぇ姫乃(ヒメノ)!!見てよコレ!!」

「なにー?」

「短冊。」


生徒会室前に置かれた小さな笹と、短冊を指差して琴(コト)が言った。


「お願い事書こうよっ!!って姫乃は一つしかないけどさ、書くこと。」

「え?」

「今年こそ会えるといいね。ハルくんに。」

「…もー…それは琴だから話したのにー…。」

「ごめんごめん!!からかってるんじゃなくて、本気で会えるといいなって願ってるんだけど?」

「そうは見えないもん。」

「手厳しーなぁー…姫乃は。」


そう言いながらも姫乃の分と自分の分の短冊を取って、琴は姫乃に一枚渡した。


「書く書かないは自由だけど、そろそろ会いたくない?」

「……。」

「ってごめん。朝からそんな顔させちゃって。」

「大丈夫っ。私もホント…諦め悪いよね。」

「そんなことないと思うけど。」


琴の即答に、姫乃は少しだけ微笑んだ。



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